彦根城内非公開施設を使った特別企画「殿様の茶事体験」

2025年33日(月)39日(日)
312日(水)319日(水)
各日10:00~16:00 ※雨天決行
会場:彦根城・名勝玄宮楽々園「御書院」「地震の間」「鳳翔台」

彦根藩の歴代藩主(お殿様)が隠居所として暮らした、彦根城内の下屋敷・玄宮楽々園。ここで生まれ幼少期を過ごした井伊直弼公が、1850年に彦根藩主になって以後、1853年の黒船来航、1858年の大老就任までの激動の時代に、この一帯をダイナミックに使い催していた茶会を追体験いただくプランです。
玄宮楽々園の御殿エリアにあたる「楽々園」の、通常非公開の文化財施設「御書院」「地震の間」を使い、お殿様に招かれた大切なお客様として、特別な茶事を体験いただきます。

直弼公と彦根の茶の湯についてさらに詳しく

茶事とは

茶事とは、「懐石(料理)」と「和菓子」、「お茶(濃茶・薄茶)」で構成されるフルコース。一服のお茶を飲むために、四季や時勢にあわせて、懐石で使う食材や調理法、和菓子のデザイン等を吟味してお客様に振る舞う究極のコースと言えます。茶事の亭主(主催者)が客人をどのようにもてなすか、客人に思いを馳せ、茶事の数時間に凝縮する。直弼公が世に広めた「一期一会」の言葉。この一期一会の意味を、そしてなぜ混沌の時代に、しかも彦根城で茶会を開催していたのかの意味を、この茶事にて体感いただけましたら幸いです。

通常非公開の文化財施設「御書院」「地震の間」を特別に使用

井伊直弼公が暮らした当時から現存する「御書院」と「地震の間」。この「御書院」の最奥には、お殿様のみが利用した一段高い空間「御上段」があり、黒漆塗りの框(ツガ)を据え御簾を下げるなど、当時のお殿様の高い身分が建築面でも感じ取ることができます。また、「地震の間」は大小多数の岩石を積み重ねた築山の上に構築された数寄屋風建築で、建築当時から、茶の湯に用いる「御茶座敷」として使われました。

本格的なお茶のフルコース「茶事」を体験

おもてなしの心が詰まった一服のお茶を美味しくいただくために用意された「懐石」「日本酒」「和菓子」「濃茶」「薄茶」をお召し上がりいただきます。文字通り、抹茶の濃いお茶から薄いお茶を順に飲むことで、味・香りの違いを感じ、お茶の奥深さを味わっていただけます。また、お茶をいただく空間の景色や音、掛け軸や茶生等のしつらえ、茶道具の一つ一つとの出会いも一期一会。五感で、茶事をご堪能ください。

直弼公が激動の時代に彦根で開催した茶会の記録を元に懐石を再現

1850年、36歳で13代彦根藩主になって以後、1853年の黒船来航、1858年の大老就任と、直弼公、そして日本にとっての激動の時代に、直弼公が彦根城で催していた茶会のうち16回分の記録が『彦根水屋帳』として残されています。お召し上がりいただく懐石は、井伊家・大名料理の再現プロジェクトに多く関わってきた老舗料亭・伊勢幾が『彦根水屋帳』を元に再現。直弼公より酒造りを命じられ創業した「岡村本家」の日本酒とペアリングしてご賞味いただきます。

お点前は、直弼公の精神を受け継ぐ彦根市茶道協会が担当

お茶を学ぶ人々が必ずたどりつく人物・直弼公。近代茶道の礎を築いた人物として、「一期一会」の言葉・精神を世に知らしめた直弼公のおもてなしを、井伊家ご用達の菓子商で、直弼公も愛した老舗和菓子店「いと重菓舗」の和菓子と一緒に体感ください。

直弼公が、茶事の主催者・亭主としてお客様をおもてなし

御書院でお客様の到着をお出迎えする直弼公(※)と一緒に懐石・お茶を楽しむことで、 江戸時代に、まさにこの場所で暮らし生きたお殿様に思いを馳せていただけます。彦根藩主として彦根の平和を、大老として日本の未来を見据えていた直弼公の、一人の人間としての側面を、このプライベートな空間で感じていただけるのではないでしょうか。※直弼公に扮した役者が担当します。

井伊掃部頭からの侍認定書を贈呈

直弼公の茶事を体験した証として、彦根藩主・井伊掃部頭(かもんのかみ)の名で発行された「侍認定書」を贈呈します。
「掃部頭」とは、井伊家が2代の直孝公以降、当主が代々用いていた通称(普段の呼び名)です。江戸城付近の古地図にも、当時の井伊家の屋敷の位置(現在の憲政記念館 / ホテルニューオータニ / 明治神宮等)には「井伊掃部頭」の文字が見てとれます。井伊家が大切にしてきた通称で、お客様へのおもてなしの心を表します。

懐石の前には、国宝天守5城に数えられる彦根城の天守をご案内

世界遺産登録を目指す彦根城の中でも、国宝に指定されている天守。歴代のお殿様が、藩主就任時に拝礼の儀式を行うため、人生で一度だけ登ったと言われています。京都御所(天皇)と江戸城(将軍)の方角へ拝礼を行っていた藩主の気持ちになって、景色を眺めてみてはいかがでしょうか。

茶人・井伊直弼公

13代彦根藩主で、将軍の右腕とも言える役職「大老」も務めた井伊直弼公と言えば、「安政の大獄」や「桜田門外の変」等、良い出来事とは言い難い事象を想起する方も多いのではないでしょうか。ですが、当時は日本の転換期となる激動の時代。そんな混沌とした世の中においても、直弼公は政治手腕を発揮し、アメリカ合衆国との間で修好通商条約を結び、日本を開国へと導きました。ここ彦根では、開国の父としての直弼公を愛する市民が一丸となり、直弼公の功績を語り継ぎ、彦根城を守ってきました。

そんな直弼公は、近年、別の側面での評価も得ています。近代茶道の礎を築いた茶人としての一面です。茶の湯を知らない方々も一度は聞いたことがある「一期一会」の言葉。直弼公の茶の集大成として著された『茶湯一会集』を通して、この言葉・精神が世に広まりました。今日、茶の湯を学ぶ人々は皆、直弼公にたどり着くと言われます。この功績を称えるため、2023年4月1日、全国で三例目となる茶の湯条例「井伊直弼公の功績を尊び茶の湯・一期一会の文化を広める条例」が彦根市で制定されています。

彦根藩主は代々、茶の湯に造詣が深く、幼少期から茶の湯に触れる機会に恵まれた直弼公は、石州流の茶を学んだことをきっかけに、石州流の茶匠・片桐宗猿と直接書面のやりとりを交わし、様々な疑問を解消し自身の理解を次なる高みへと昇華。また、茶の湯の根底にある禅の精神をも探求し、日本で一、二を争う高僧・仙英禅師より印可を得るまでに至りました。

直弼公の探求心は精神面だけに留まらず、茶の湯で用いる掛軸の書を自らしたため、花生や菓子鉢等の茶道具を自作。懐石の献立を考え、料理を盛り付ける器ともなる彦根産の「湖東焼」の産業を庇護し、酒造りを藩士に命じ、そして、干菓子(落雁)を作るために必要な木型も自ら制作。茶の湯のあらゆる構成要素を極めた直弼公は、かのレオナルド・ダ・ヴィンチさながら、様々な顔を持つ万能の天才として、世界に知られる未来もそう遠くはないはずです。

茶の湯は彦根藩主として必須の素養

茶人・直弼公を生んだ井伊家は、なぜお茶に造詣が深く、そしてそもそもなぜ、彦根藩領(滋賀県・琵琶湖の東側地域)を将軍より任せられたのでしょうか。それは、天下分け目の合戦・関ケ原の戦いにまで遡ります。

東軍の目付として指揮をとり、徳川家康を天下人に押し上げた人物とも言われる彦根藩初代・直政公。合戦後、いよいよ戦国時代の最終段階という時に、日本を東西に二分する勢力として江戸の家康が対峙していたのが、大阪の豊臣秀頼(秀吉の息子)です。彦根は、豊臣側が江戸を攻める際に必ず通る中山道の重要地点。江戸への進軍を早期に食い止められる場所として、要塞・彦根城を築き、この重要拠点を守る大役を、家康が寵愛し続けた猛将・直政公が仰せつかり、彦根藩の歴史が始まりました。

戦国時代が終焉を迎え江戸幕府の治世となると、天皇・朝廷を幕府の統制下におくため、都(京都)から近い地域を統治する彦根藩は、天皇・朝廷とも良好な信頼関係を築く役目を担いました。その大役を果たすための装置として機能したものの一つが、茶の湯だったのです。茶の湯と言っても、源流にある禅の精神にも精通し、茶の湯の構成要素である掛軸に書かれた言葉や茶道具の「銘」の元となる和歌の知識も求められる等、様々な分野の教養が求められ、古からの文化・教養を身に着ける朝廷の人々と渡り合い関係を構築するためには、茶の湯を極めることは必要不可欠でした。

また、幕府・将軍や朝廷等、立場や文化的背景が違う人々とのコミュニケーションを円滑に図ることが求められた彦根藩主。相手を徹底的に思い準備して臨むこと、招いた客の思いに真摯に向き合うこと、客を見送った後に一期一会の出会いであったことを振り返り観念すること。これらを実践する場として、彦根城で茶会を催し、菩提寺の住職や重臣、幕府の数寄屋坊主等、立場や役職に囚われず客人を選び招きました。

彦根城で茶事を体験いただく意義

彦根城で開催した茶会の中でも、直弼公が彦根藩主になって以後、1853年の黒船来航、1858年の大老就任までの激動の時代に催されていた茶会の内容が、『彦根水屋帳』に記録として残されています。激動の時代に茶会とは暢気な、けしからん。そんな声も聞こえてきます。ですが、茶の湯の意味を知れば知るほど、この混沌とした時代には、茶の湯こそ必要なことであったと考えざるを得ません。海外の人々、幕府、朝廷等のそれぞれの立場を思い、多様な意見を聞き、その後、一人静かに振り返る。直弼公にとって必然であった彦根城での茶会。令和の時代を生きる皆様にとって、彦根城で体験いただく茶事の意義は、ここにあります。

体験の詳細

開催日程

2025年3月3日(月)/ 3月9日(日)/ 3月12日(水)/ 3月19日(水)各日10:00~16:00
※雨天決行


最少催行人数

各日程1組限定。1組2名以上、最大5名まで。


参加代金

2名利用時3名利用時4名利用時5名利用時
1名代金(税込)165,800円115,600円90,500円75,500円

代金に含まれるもの:
会場使用料(※) / 彦根城入場券代 / 食事・日本酒・濃茶・薄茶・和菓子代 / ガイド料
※頂戴した会場使用料は、特別史跡「彦根城跡」内における施設の維持管理等に充てさせていただきます。2027年の世界遺産登録を目指す彦根城は、彦根市、そして人類にとっての財産と言えます。この財産を後世に残していく取り組みに、お客様一人一人の思いを「会場使用料」のかたちで添え、役立たせていただきます。

代金に含まれないもの:
集合場所までの交通費、その他


行程

10:00
彦根城・表門券売所集合
10:00-12:00
彦根城登城・見学(天守) ※ガイドがご案内
12:00-13:30
懐石(楽々園「御書院」) ※以降、直弼公役がご案内
13:30-14:45
お点前・濃茶(楽々園「地震の間」)
14:45-15:10
庭園散策(玄宮園)
15:10-15:40
庭園鑑賞・薄茶(玄宮園「鳳翔台」)
16:00
玄宮園・東口券売所解散

※各施設・場所での時間は、多少前後する可能性がございます。ご了承ください。


拝観・利用施設

天守(拝観)

天守(拝観)

楽々園「御書院」(懐石会場)

楽々園「御書院」(懐石会場)

楽々園「地震の間」(お点前・濃茶会場)

楽々園「地震の間」(お点前・濃茶会場)

玄宮園「鳳翔台」(薄茶会場)

玄宮園「鳳翔台」(薄茶会場)


お申込み条件

予約期限
各開催日の1ヶ月前
キャンセル規定
14日前~2日前 代金の20%
前日・当日 代金の100%

※先着順での受付。各日程1組の申込があり次第、受付終了。ただし、キャンセルが出た場合は、先着順で次の方へご案内いたします。


参加条件・注意事項

20歳以上
※文化財施設利用および日本酒提供のため
※当日は、暖かい服装でお越しください。文化財施設の特性上、暖房がございませんため、こちらで用意するブランケットをご利用いただきます。


本商品の予約・契約締結の流れ

  1. 本ページ下部の「お申し込みはこちら」のボタンから遷移する申し込みフォームより、必要事項をご記入の上、お申込みください。
  2. お申込み受付後、近江ツーリズムボードより、受付完了の旨とともに、詳細確認のためのご連絡をさせていただきます。
  3. お申込内容確定後、事前支払(オンラインでのクレジットカード決済)の手続きをご案内いたします。
  4. お支払完了をもって、契約締結となります。
  5. 開催日当日、指定された集合場所へお越しください。

お申し込みはこちら

本企画協力事業者

お点前 彦根市茶道協会
懐石  御料理 伊勢幾
日本酒 岡村本家
和菓子 いと重菓舗


彦根市「侍認定制度」とは

彦根市では、豊かな歴史と文化遺産を誇る観光都市「彦根」を世界に向けて発信し、さらなるインバウンド誘客を推進するため、2024年10月1日より、文化財施設「御書院」「地震の間」を有効活用した新たな体験型プログラム「侍認定制度」を創設。その体験プログラム開発事業者として当法人が認定を受け、本体験を造成しました。

侍認定制度の創設および体験プログラム開発等事業者の募集について - 彦根市


お問い合わせ・本企画主催

お電話でのお問い合わせの際は、必ず「殿様の茶事体験」に関するお問合せである旨を、担当者にお伝えください。

一般社団法人近江ツーリズムボード
☎︎0749-22-5580
営業時間 9:00-17:00(土日祝を除く)
国内旅行業務取扱管理者 小島聖巳

  • 国内旅行業務取扱管理者とは、お客様の旅行を取り扱う営業所での取引に関する責任者です。この旅行契約に関してご不明な点があれば、ご遠慮なく上記の取扱管理者にお尋ねください。
  • 変更・キャンセルは営業時間内にご連絡下さい。その後は翌営業日扱いと致します。

旅行企画・実施: 一般社団法人近江ツーリズムボード
住所: 滋賀県彦根市中央町3-8 彦根商工会議所
旅行業登録免許番号: 滋賀県知事登録旅行業第3-260号
旅行業務取扱管理者: 小島聖巳
加盟団体 / 認証制度: (一社)全国旅行業協会
※標準旅行業約款に準じて商品を販売しております。