創業は1965年(昭和40年)、今も東京銀座にある老舗「クラブ ウルワシ」で働いていた中村さんの叔母が、この地で開業したのが始まりです。大阪出身の中村さんは、京都で喫茶店やスナックを営んできた経験の持ち主。叔母の遺志を受け継ぎ、2018年から新たな歴史を積み重ねています。
世界中から人・もの・情報が集まる歴史、文化、芸術の町・京都。そこで生きた情報の大切さを実感した中村さんは、新聞、雑誌、テレビ、あらゆるものに触れ、得た知識を会話やおもてなしに活かしています。立地が袋町の入口であるため、観光案内の役割もできればと、店内の本棚にはガイドブックや歴史の本、雑誌など書籍も充実。来店客の出身地にちなんだ話もできるよう日頃から幅広い情報収集を心掛けています。
気になることはすぐにスマホで検索して勉強。内面を磨き、お客様に感激してもらえるおもてなしを徹底しているという中村さん。袋町は大老・彦根藩主、井伊直弼を主人公にした舟橋聖一の歴史小説『花の生涯』にも描かれ、大河ドラマの放送で一躍有名になったことを知らない人が多いことに驚き、「もっと彦根の歴史や魅力を伝えなくては」と使命感を抱いています。この道40年、「人が好き。この仕事は最高に面白い。命のある限り頑張ろうと思っています」。
place 滋賀県彦根市河原2-6-18