「そのばkitchen」を楽しむサイクリングツアー Vol.1

「そのばkitchen」を楽しむサイクリングツアー Vol.1

近江食材収穫体験と青空レストラン ~彦根梨&イチジク編~

place 彦根市 甲良町 豊郷町 access_time 2021年3月17日更新

のどかな田園風景や青い空と湖が一望できる琵琶湖岸など、さまざまな景色が楽しめる滋賀県湖東地域。国宝彦根城や、人気アニメの舞台といわれる小学校といった数々の歴史的な建造物も見どころの一つです。

今回体験したのは、地元でとれる旬の味覚を楽しみながら観光スポットをレンタサイクルでめぐる「近江食材収穫体験と青空レストラン『そのばkitchen』を楽しむサイクリングツアー」。湖東地域は坂道が少なく、自転車で散策するのにもってこいなんだとか!とはいえ走行距離は約20キロ。完走できるかな…とドキドキしながら参加してきました!

レンタサイクルで彦根駅を出発!

集合は、JR彦根駅前にある彦根市レンタサイクル めぐりんこの貸出・返却場所「彦根駅前サイクルステーション」。ツアー開始の11時半が近づくと、参加者の方がぞくぞくと集まり始めます。到着した人から自分に合った仕様やサイズの自転車を案内してもらい、サドルの高さを調整します。

全員で交通ルールやハンドサインについての説明を聞いて、準備体操を済ませ、ヘルメットをかぶったらいよいよスタート!「滋賀のローカル線『近江鉄道』は、自転車の乗り入れができるんですよ!」ということで、まずは近江鉄道のひこね芹川駅を目指します。

雲ひとつない秋空で、まさにサイクリング日和!いつもは車から見ている景色も、スピードが違うと新鮮に感じます。電車の待ち時間がほどよい休憩になり、水分補給をしたり、「どこから来たの?」と声を掛け合ったり。

電車に乗って、3駅先の尼子駅に向かいます。

電車と自転車を組み合わせることで行ける範囲がグッと広がって、よりたくさんのスポットが楽しめるんですね!

手のひらサイズの「とよ坊かぼちゃん」をたっぷり使った濃厚プリン

尼子駅に着いたら、地元甲良町の湧き水からとれたミネラルウォーターと、お隣にある豊郷町産の「とよ坊かぼちゃん」を使った「とよさとプリン」の差し入れが!

「滋賀県で一番小さい町で、小さいかぼちゃを特産品に!と、坊っちゃんかぼちゃの生産をスタートしました。とよ坊かぼちゃんは糖度が高く皮が柔らかいことから旬の時期が短いのですが、一年中おいしく味わってもらいたいと思い、この『とよさとプリン』を開発しました」と担当の方が話してくれました。とよ坊かぼちゃんの果肉が40%も使われているそうで、濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。ホクホクとした食感で食べごたえがあり、サイクリングのおやつにピッタリ!

お土産にひとり一つずつとよ坊かぼちゃんをいただいて、次の目的地に向かいます。

アニメファンの聖地「豊郷小学校旧校舎群」

旧中山道の町並みを走っていると、左手にパッと目を引く白い建物が。アニメ「けいおん!」の聖地としてたくさんのファンが訪れる「豊郷小学校旧校舎群」です。最近では映画「君の膵臓をたべたい」や、昭和初期を舞台にしたドラマなど、多くの映像作品のロケ地にもなっているのだとか。

有名な建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した校舎は、かつては「白亜の教育殿堂」「東洋一の小学校」と呼ばれました。

バイクスタンドに自転車を置いて、噴水のある庭を散歩したり、校舎内の売店をのぞいてみたりと各自休憩タイム。アニメに出てくるカメをモチーフにした「かめろんパン」が人気でした!

水分補給をしっかりしたら、いよいよ後半戦。近江食材の農園に向けて出発です!

甘い香りに包まれるイチジク農園

9月とはいえ、午後の日差しはなかなか強烈です。そんな中、川沿いの並木道にさしかかると「涼しくて気持ちいい〜!」とみんな笑顔に。

彦根市稲里町でイチジクを栽培する奥居義則さんの農園にやって来ました。

「イチジクをつくり始めて今年で16年ほどになります。『桃栗三年、柿八年』と言いますが、イチジクは木を植えて2年で実がなるのがいいところ。うちで栽培しているのは“桝井ドーフィン”で、国内の市場に出ているイチジクの90%がこの品種です」

「毎朝3時半に起きて収穫しますが、とり残しがあると翌日にはジャムにするしかないぐらい熟してしまいます。木の下の方から順番に実がついて、一番上の実が赤くなるまで3ヶ月間ほど収穫できますよ」

ビニールハウスを覗かせてもらうと、中からは甘〜い香り。「この後、青空レストランで食べていただけますよ」と案内があり、俄然やる気が出てきました!

おいしい食事を楽しみに、のどかな田園風景の中を走ります。

ジューシーなもぎたての「彦根梨」

そしてついに、彦根梨農園に到着!梨の栽培を手掛ける吉田保夫さんに、収穫のコツをレクチャーしていただきます。

「梨ってね、実は簡単にとれるんです。こうやって下から持って、そのまま横向きに持ち上げたらポロッととれます。風が吹くと落ちてしまうので、台風で甚大な被害を受けるのはこういうことなんですね。どうぞみなさん、とってみてください」

「もともとは沼地だった場所を干拓して、昭和56年から彦根梨の栽培が始まりました。滋賀県には他にも梨をつくっている地域がありますが、10ヘクタール規模のまとまった土地で栽培しているのは彦根梨だけ。だから味がバラけることなく、安定しておいしい梨がとれるんですよ」

収穫した梨はキンキンの氷水で冷やして、食後のデザートになります。

近江食材を楽しむ青空レストラン

ここからは待ちに待ったディナータイム!まずは彦根梨の果汁をたっぷり使った梨ソーダから。サイクリングで疲れた体に、甘くて冷たいソーダが染み渡ります。

席につくと、色鮮やかなワンプレートが運ばれてきました。昆布締め鯛とイチジクの利休和え、とよ坊かぼちゃんのキッシュなど、今日出会った近江食材がさまざまにアレンジされ、ギュッと詰まった一皿です。

見た目もキレイな手の込んだ料理に、あちこちから感動の声が上がっていました。

デザートにはよく冷えた彦根梨と、イチジクをまるごと一つ。一口ごとに、農家さんの顔や今日走ってきた景色が思い出され、心も体も満たされたひと時でした。

直売所でショッピング&琵琶湖で記念撮影

楽しかったサイクリングもいよいよ終盤。帰り道は、夕日を見ながら琵琶湖岸を走るルートです。休憩で立ち寄った直売所「美浜館」では、地元産の野菜や手作りのお菓子など、思い思いのお土産を購入。

暗くなる前に!とみんなで集まって、琵琶湖をバックに記念撮影をしました。

沈んでいく夕日を眺めながら、最後の休憩タイム。

彦根駅前のゴールまで、あとひと頑張りです!

彦根城を眺めながら帰路へ

夜が近づいて、空が濃い青色に染まり始めます。彦根城の前を通ると、お堀の水面がキラキラと反射してきれいでした。

そして、ついにゴール!到着は出発地と同じ、彦根駅前のめぐりんこです。

本日の走行距離は、約25キロ!みんな疲れているはずなのに、達成感に満ちた笑顔が多かったのが印象的でした。アンケートを書いたら、お土産に袋いっぱいの彦根梨をもらって解散。

みなさま、お疲れさまでした!

サイクリングツアーは初体験でしたが、普段と違う目線で見る景色の美しさ、農家さんの思い、地元食材のおいしさなど、たくさんの感動に出会えた一日でした。大きなアップダウンがなく、初心者の方でも余裕をもって楽しめると思います。自然が好き、おいしいものが好き、という方はぜひツアーに参加してみてください!