歴史満喫サイクルツアー

歴史満喫サイクルツアー

自然の風を感じて心も体もリフレッシュ!

place 彦根市 多賀町 豊郷町 access_time 2021年3月14日更新

琵琶湖の東にある湖東地域は、歴史と文化の宝庫です!歴史ある空間で遠い昔のことを思ってみたり、パワースポットでエネルギーをチャージしたり、日常から離れてゆったりとした時間を過ごせる見どころが盛りだくさん。

観光スポットをめぐるには、自分のペースで楽しめるサイクリングがおすすめです。ゆっくりと流れる景色に癒やされて、心も体もリフレッシュしましょう!

「長松院」の朝坐禅で一日をスタート!

まずはJR彦根駅前の「彦根市レンタサイクル めぐりんこ」へ。お店の方に相談しながら自分に合った自転車を選びます。電動アシスト付き自転車もあるので、体力に自信がない人でも安心です!

シャキッとした気持ちで一日をスタートしたい!と思い向かったのは朝坐禅が体験できるという「長松院」。

長松院は、1602年に初代彦根藩主の井伊直政(いいなおまさ)が火葬された跡地に建てられました。直政の他にも、井伊家の家臣やその関係者達の祖先が眠るお寺です。

坐禅をする僧堂に入り、まずは住職の手塚紀洋さんからレクチャーを受けます。

「長松院では、座る坐禅、歩く坐禅、本堂のお掃除までを2時間ほどで体験していただきます。坐禅の単位は一炷(いっちゅう)といって、これはお線香一本が燃え尽きる時間、約30分です」

「足を組んで座ったら、両手の親指を軽く触れる程度にくっつけて楕円形をつくります。手の中に宇宙があるのを感じてください」

目を薄く開けた状態で背筋を伸ばし肩の力を抜くと、身体の中心にスッと一本の軸が通ったような感覚に。いつもは日常に溶けている鳥の声、木の葉の擦れ合う音、自分が呼吸する音、一つひとつがよりクリアに感じられます。

「人には五感があります。鳥の声が聞こえますね。何の鳥だろう?そう思っても、追求しない。足が痛くなってきても、なぜ?と理由を考えない。追求すると、そこから怒りや悲しみといった感情が生まれるのです」

考えることをやめ、まわりの音や光をただ感じていると、目覚めているのになんだか懐かしい夢の中にいるような、不思議な心地よさがあります。カーンという鐘の音で、坐禅の時間は終了。

坐禅が終わったら、僧堂の畳を固く絞った雑巾で1枚ずつ拭いていきます。使わせていただいた場所に感謝しながら、きれいにしてお返しするのは気持ちがいいですね。

長松院には、江戸時代に世界で始めて自転車を作ったといわれる平石久平次時光(ひらいし くへいじ ときみつ)のお墓があるのだとか。

最近では、自転車で琵琶湖を一周する「ビワイチ」の安全祈願に訪れる人も増えているそうです。坐禅でリフレッシュして、安全祈願のお参りもして、一日のスタート準備バッチリです!

「夢京橋キャッスルロード」は食べ歩きグルメが充実!

千成亭 夢京橋店

本格的なサイクリングの前に腹ごしらえを。ということで向かったのは「夢京橋キャッスルロード」。古くから城下町として栄えた彦根には、和のスイーツが楽しめる老舗和菓子店や、地元の人々に愛されるグルメスポットがたくさんあります!

手軽に楽しめる食べ歩きグルメといえばコロッケ。「千成亭」では、滋賀県が誇るブランド牛「近江牛」を使ったコロッケを味わうことができます。サクサクの衣に、トロッとしたじゃがいもの食感が幸せ〜!近江牛のミンチは甘くてジューシーで、おやつ感覚で楽しめるコロッケです。

お次は地元の高校生から観光客まで、あらゆる世代のお客さんに大人気の「たこ壱」。キャッスルロードができた時から20年以上、変わらずこの場所でたこ焼き屋さんを続けておられます。

「学生さんだったお客さんが大人になっても買いに来てくれたり、常連さんも多いですよ。生地もソースも開店当時から変わらないオリジナル。配合はヒミツです!」と、焼きたてホカホカのたこ焼きを手渡してくださいました。

外はカリッと、中がトロトロのたこ焼きは、やや小ぶりでいくらでも食べられそう!お茶やラムネもあり、お店の前にはベンチも設置されているのでちょっとした休憩にもいいですね。

締めのデザートは、創業から200年を超える老舗和菓子店「いと重」へ。お饅頭やロールケーキなど、バリエーション豊かなお菓子の中から「糸屋重兵衛あいす最中」の抹茶味をチョイス!

サクサクの皮に、濃厚な抹茶アイスが包まれていて上品な味わい。抹茶以外にも小倉・きな粉・ブルーベリー味があるそうで、他の味も気になります。こうやって、ふと見つけた気になるお店で立ち止まれるのもサイクリングの魅力ですね!

日本を生んだ神を祀るパワースポット「多賀大社」

彦根の城下町を楽しんだ後は、古事記にも登場する歴史的なパワースポット「多賀大社」へ。

多賀大社は、日本で最初の夫婦イザナギとイザナミを祭神としていることから、縁結びのご利益があるのだそうです。また、日本列島やそこに住むさまざまな神様を生んだ二人を祀っているので、古くから延命長寿や厄除けの神様として知られ、全国から多くの参拝者が訪れています。

絵馬はなんと、しゃもじの形!これは、元正天皇が病に倒れた時、多賀大社の神主がシデの木で作ったしゃもじを献上したところ、天皇はたちまち治癒されたという言い伝えが由来だそうです。お守りとしてしゃもじを授ける「お多賀杓子(おたがじゃくし)」の慣わしは、オタマジャクシの語源にもなったのだとか。

もちろん、おみくじもあり内容ごとに色の違うカラフルな紙が使われています。

鳥居のすぐ目の前にある「多賀や」で名物の糸切り餅を買って、境内の日陰でひと休み。

ちょっとした休憩に嬉しい、3個入りのパックが売られていました。

静かな境内で鳥のさえずりを聞きながら、自然の風を感じる。日常を忘れて、心癒やされるひと時が過ごせました。

「一休庵」で名物の多賀そばを堪能!

多賀大社の表参道は古くからたくさんの参拝客で賑わい、現在は飲食店やお土産屋さんが建ち並ぶ「絵馬通り」として親しまれています。

実は多賀町、近畿地方最大のそばの産地なのだとか。県外からも熱烈なファンが訪れるほど注目を浴びているという「多賀そば」をいただきに、多賀大社のすぐ前にある「一休庵」へ。

「一番人気は、温かいそばですよ」というお店の方の言葉に誘われて、たまごや海老天、椎茸の乗った具だくさんのそばを注文。だしの旨味がきいてあっさりと食べやすく、季節を問わずおいしく食べられそうです。

そば本来の味も楽しむべく、盛りそばもいただきました。こちらはキリッと冷えてのどごしがいい!多賀そばは鈴鹿山系の湧き水を使って作られており、コシも風味も抜群です。

こだわりの酒づくりを続ける創業160年の蔵元「岡村本家」

多賀そばと同じく、鈴鹿山系の豊かな湧き水を利用して酒づくりをされているのが、豊郷町にある「岡村本家」です。こちらでは酒づくりの方法を聞きながら蔵の中を案内してもらえる「酒蔵見学」が大人気!

「岡村本家の創業は1854年、国宝彦根城のお殿様、井伊家より酒づくりの命を受けて創業しました。彦根城は別名『金亀城(こんきじょう)』といわれていることから、当社では呼び捨てにしないために読み方を変えて『金亀(きんかめ)』と名付け、お酒の名前に頂戴しています」

「こちらが『釜場(かまば)』といって、お米を洗って蒸すところです。仕込みに使う水は全て地下水で、鈴鹿山系の伏流水を使用しています」

「仕込みでは、蒸したお米と麹、水を使いおよそ20〜30日かけて発酵させます。発酵し始めは麹の作用でとても甘く、それを酵母が食べてだんだん甘みが少なくなっていきます。発酵期間を延ばせば延ばすほど、辛口のお酒になっていくというわけです」

「岡村本家では、江戸時代から変わらず『木艚袋搾り(きぶねぶくろしぼり)』という方法でお酒を搾り続けています。発酵し終わったもろみを小袋に入れ、互い違いに積んでいくという非常に手間がかかる搾り方ですが、ゆっくり時間をかけるので、お酒にはとても優しい方法なんですよ」

見学の後は、お酒を試飲することもできます。定番の「金亀」に季節のお酒、アルコールが苦手な方やお子様には甘酒も用意されているので、自分好みの味を探してみましょう!

ウサギとカメの階段がかわいい名建築「豊郷小学校旧校舎群」

いよいよツアーも終盤、ということで最後の目的地「豊郷小学校旧校舎群」へ。

建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で1937年に建てられた校舎は「東洋一の小学校」と絶賛され、現在では数々の映画のロケ地や、アニメ「けいおん」の聖地としても知られています。

正面玄関から入ると、自然光がたっぷり入る廊下が左右に広がります。その長さ、なんと全長100メートル!

木でできたドアやまっ白な壁など、細かな意匠まで美しい屋内でひときわ目を引くのは、イソップ童話の「ウサギとカメ」があしらわれた階段です!

1階からよーいドン!で追いつき追い越し…

ウサギが居眠りしている間にゴールするカメの姿が、ブロンズの装飾で表現されています。

館内には売店もあり、滋賀県名物「飛び出し坊や(とび太くん)」のグッズがずらり。

地元農家さんで作られた「いちごバター」などの特産品は、旅のお土産にピッタリです!

サイクリングで歴史の魅力を満喫!

最後に校舎前の庭園をぐるっとひと回りしたら、敷地内の案内所に自転車を返却してサイクルツアー終了です(※)。目的地だけでなく、そこまでの道のりも楽しめるのがサイクリングの醍醐味ではないでしょうか。自転車目線でのんびりと、湖東の歴史をめぐる旅を満喫してください!

※自転車の返却場所は、借りる際に予めご確認ください。