「湖東三山」を満喫するジャンボタクシーツアー

「湖東三山」を満喫するジャンボタクシーツアー

国宝と名園をめぐる大人の遠足

place 多賀町 甲良町 愛荘町 東近江市 access_time 2022年2月28日更新

琵琶湖の東側、湖東地域にある西明寺(さいみょうじ)、金剛輪寺(こんごうりんじ)、百済寺(ひゃくさいじ)は、総称して「湖東三山」と呼ばれる歴史と文化の名所。いずれも1400年から1200年以上前に建立された天台宗のお寺で、国宝をはじめ、多くの歴史ある建造物や仏像を見ることができます。

また、自然の美を取り入れた庭園は四季折々に表情を変え、仏教建築との調和は息をのむ美しさ。日本の紅葉百選にも選ばれている湖東三山ですが、雪景色が幻想的な冬や、初夏の新緑の時期は静かに流れる時間を味わいながら境内をゆっくり散策できる穴場シーズンだそう!ということで、今回は大人の遠足をテーマに冬の湖東三山を訪れてみました。

地上の天国と称された絶景の寺「百済寺」

ジャンボタクシーに乗り込んで、最初に向かったのは百済寺。

7世紀のはじめに聖徳太子が創建したとされる寺院で、滋賀県でいちばん古いお寺のひとつだといわれています。境内は長い石段が続くので、歩きやすい靴で行くのがおすすめです。

池のまわりをぐるりと一周することができる池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の庭園は、見る場所によって全く違う景色が楽しめます。

春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景色が美しく、観光シーズンには多くの参拝者が訪れるのだそう。

この庭園は別名「天下遠望の名園」と称されていて、東の山々を借景に、遠くには琵琶湖や比叡山を望むことができます。雪解け水の流れる音を聞きながら庭園をまわり、ゆったりと流れる時を感じることができました。

さらに石段を上って本堂に向かいます。戦国時代に来日していた宣教師ルイス・フロイスは、参道の石垣を見て「地上の天国」と絶賛したのだそう。また、この石段は織田信長が安土城を建てる時に参考にしたともいわれています。

本堂は度重なる火災や焼き討ちを受け焼失しましたが、1650年に再建されました。

本堂に安置されている「如意輪観音半跏思惟像(にょいりんかんのんはんかしいぞう)」は、右膝を立て、頬に手を添えて考えごとをする姿を表した美仏で、一生に一度は拝みたい仏様といわれています。

焼き討ちを逃れた世界に誇る建物「金剛輪寺」

続いて訪れたのは、奈良時代に聖武天皇の勅願によって開山されたと伝わる「金剛輪寺」。総門に掲げられた大きな提灯がインパクト大です。

山道の両脇では、たくさんのお地蔵様が並んで出迎えてくれました。

無病息災や豊作の願いが込められた大わらじが印象的な二天門をくぐって、本堂へ向かいます。かつて織田信長が金剛輪寺を焼き払おうとした際、住職が本堂の前で火を焚いてすでに建物が燃えているように見せかけたことから、この二天門と本堂、三重塔は焼失の難を逃れ、現在では国宝や重要文化財に指定されています。

1288年に建立された本堂は、中世天台仏堂の代表作として国宝に指定されています。1964年に開催された東京オリンピックの際には、「世界に誇れる日本の建造物」としてこの本堂の精巧な模型が上野の博物館に展示されました。

本堂の左奥には、重要文化財の三重塔がそびえ立っています。

国指定の名勝庭園は、安土桃山時代から江戸時代にかけてつくられたもの。時代が違う3つの庭で構成されており、秋には「血染めのもみじ」といわれるほど赤く染まる紅葉を楽しむことができます。

自家製野菜とジビエがおいしい農園レストランランチ「ピノー」

お昼が近づいてきたので、お寺めぐりは一時中断。多賀の山間にある小さな農園レストラン「ピノー」へ。

敷地内の畑で栽培されているという季節の野菜やハーブが盛りだくさんのランチをいただきます。

こちらは地元でとれた鹿肉を使った一皿。じっくり煮込まれたお肉がとても柔らかく、臭みも全くなくておいしい!

最後には手づくりのデザートまで付いて、大満足です!

日本の最も美しい場所に選ばれた「西明寺」

最後に向かったのは、834年に仁明天皇の勅願により開創された「西明寺」。アメリカのニュース専門放送局CNNで「日本の最も美しい場所31選」に選ばれました。

門を入ってすぐの庭園で、11月から2月にかけて咲くという不断桜がかわいい花を咲かせていました。

庭園「蓬莱庭」は国指定名勝で、「心」の字を模した池には、趣ある石橋がかかった「亀島」、折り鶴の形をした「鶴島」という二つの島がつくられています。

西明寺は苔の美しい寺としても知られており、庭園には美しい苔の世界が広がっています。

境内では何種類もの苔が大切に育てられていて、秋には色鮮やかに染まった紅葉と、緑の苔の美しいコントラストを眺めることができます。

こちらのお寺も織田信長の焼き討ちを受けましたが、幸いにも本堂・三重塔・二天門が火難を免れ現存しています。

1200年以上前に建てられた本堂は、国宝第一号の指定を受けています。鎌倉時代初期に飛騨の匠が建立した純和様建築で、釘を1本も使用していないのだとか!中には頭に十二支の動物を乗せた「十二神将」が祀られていて、自分の干支の仏様に願い事をすればお釈迦様に願いを取り次いでくれるそうです。

こちらも国宝に指定されている三重塔。20.1メートルの高さがあり、内部には全面に極彩色の絵画が描かれているのだとか。

また、この西明寺はこれまで平安時代初期に創建されたと伝わってきましたが、それを大幅にさかのぼる可能性があるとのこと。現在調査中だそうですが、今後の動向が楽しみです!

ツアーの思い出を語り合いながら帰路へ

今回のツアーでは3つのお寺を一気にまわりましたが、どのお寺にも歴史と個性があって、それぞれの美しさに感動しました。

また、足腰に自信のない方は石段をショートカットするコースでめぐれたり、駐車待ちの列に並ばずスムーズに入場できたりと、ジャンボタクシーならではのメリットがたくさん!知識豊富な運転手さんから、お寺にまつわるおもしろエピソードも聞けるかもしれません。歴史と文化を味わう大人の旅へ、ジャンボタクシーを貸し切って、家族やグループで出掛けてみるのもいいですね!