「そのばkitchen」と名酒を楽しむジャンボタクシーツアー

「そのばkitchen」と名酒を楽しむジャンボタクシーツアー

place 彦根市 豊郷町 愛荘町 access_time 2022年2月27日更新

東に鈴鹿の山々をのぞむ滋賀県の湖東地域は、清らかな水と豊かな自然環境に育まれた、たくさんの「おいしいもの」が生まれる場所。

さわやかな秋空が広がる11月、近江食材を楽しむ「そのばkitchen」& 湖東の名酒をめぐるジャンボタクシーツアーに参加してきました!

ゴツゴツした形が個性的!「秦荘のやまいも」収穫体験

彦根市内からジャンボタクシーに乗って、愛荘町にある山芋畑へ。ここでは約300年前から続く伝統野菜「秦荘のやまいも」が栽培されています。長靴に履き替えて軍手を装備したら、スコップを片手にいざ山芋畑へ!

今日の収穫体験をレクチャーしてくださるのは、「やまいも振興組合」会長の土田さんをはじめ、この土地で長年山芋を育ててきた生産者の方々。

「やまいもの里といわれるこの辺りは、鈴鹿山脈から流れる川からできた扇状地です。粘土質の肥沃な土壌で、一般的に難しいとされる山芋の栽培に適した珍しい土地でもあります。秦荘のやまいもは、大変粘りが強い上に舌ざわりが良く、栄養価も高いのが特徴です。今日は山芋の収穫から実際に食べるところまで、存分に楽しんでいってください」と温かく迎えてくださいました。

山芋掘りのスタートは、土からわずかに出ている山芋の頭を探すことから。頭を見つけたら、少し離れたところに的確な角度でスコップをさして、掘り始めるのが山芋を傷つけないコツだそう。この見極めがすでに神業です!

テコの原理で一気に掘り起こせることもあれば、小さなスコップに持ち替えて少しずつ掘り進める場面も。途中で思いがけない方向に曲がっていたりして、土の中が見えない分、難しいけどおもしろい!

「秦荘のやまいもは、ひとつ育てるのに3年かかります。今年は雨がよく降ってその後は晴れが続いたので、でこぼこした形のものが多い。少しでも傷がつくと商品価値がなくなってしまうので、掘り起こすのはいつも大変です。個人的にはそのまますりおろして食べるのが一番!あとはお好み焼きに入れてもおいしいですよ」と教えてくださいました。

まっすぐキレイな形だったり、手のひらみたいにでこぼこしていたり、個性豊かな山芋がたくさん掘れました。

すりおろした山芋は、お箸でつまむと器からまるごと持ち上がるほどの粘り気!

こちらの看板は、山芋への愛を込めて地元の方が手作りされたそうです。掘った山芋は各自お土産用の袋に入れて、いよいよ青空の下でのランチタイム!

「そのばkitchen」で山芋づくしの創作和食に舌つづみ

滋賀県湖東地域の食材を、収穫した「そのば」で食べる「そのばkitchen」。3回目となる今回は、愛荘町にある日本料理の名店「あびこ家」の黒川さんが作るランチをいただきます。

「秦荘のやまいも自体がとてもおいしい食材なので、料理のしがいがありました。みなさんにいろんな食べ方を知っていただきたいと思い、山芋の醤油煎餅や、本鮪の山かけ、山芋の磯部焼きなどをご用意しました。地元の食材と山芋づくしの料理で、秋を感じていただけたらと思います」

山芋の醤油煎餅は、パリッとした食感に醤油の香ばしい味わいがおいしい!

ひつまぶしは、ふっくらやわらかいうなぎと粘りのある山芋がごはんによく合って食べ応え満点。

彩り豊かなお皿には、カラスミ大根ならぬカラスミ山芋も添えられていて、まさに山芋づくしの絶品ランチが楽しめます。

続いて登場したのは、「山芋の塩釜焼き」。塩釜を割る「よいしょ~!よいしょ~!」の掛け声が秋の空に響きました。

「いつもは鯛を入れる塩釜焼きですが、山芋で作ったのは初めて。塩が効きすぎないようにあえて皮のまま包むなど、いろいろと工夫を凝らしました」と黒川さん。こちらは意外にも粘り気がなく、ホクホクしたお芋らしい食感。ほどよい塩味が山芋の甘さを引き立てています。

お料理と一緒に、地元のお酒もいただきました。彦根麦酒の「AOZORA IPA」は、キリッとした苦味が口の中をスッキリさせてくれてさらに食欲をそそります。岡村本家の日本酒「長寿金亀 緑60」のまろやかな香りは、野菜やお出汁の味によく合う!やっぱり同じ土や水からつくられたもの同士は、味の相性も抜群なんですね!

収穫した食材をその場でいただく。まさに大地の恵みをまるごと体験したひと時でした!続いて午後からは、ランチと一緒に飲んだお酒の酒蔵や醸造所をめぐります。

豊かな水から生まれる地酒「金亀」の酒蔵へ

ツアーの後半は、豊かな水や自然から生まれた湖東地域の名酒をめぐります。1軒目は、豊郷町にある「岡村本家」。国宝彦根城のお殿様、井伊家より酒づくりを命じられて創業された160年を超える老舗酒蔵で、彦根城の別名「金亀城(こんきじょう)」から名付けられた名酒「金亀(きんかめ)」が有名です。

岡村本家では、酒づくりについて学びながら蔵の中を案内してもらえる「酒蔵見学」が大人気!仕込み蔵には、日本酒造りに使用する巨大なタンクがずらりと並びます。

蔵の2階には、昭和初期まで使われていた道具類が展示されています。老舗酒蔵ならではの歴史が感じられる、趣のある空間ですね!

見学の後は、日本酒の飲み比べ!運転を気にせずお酒を楽しめるのも、ジャンボタクシーツアーの嬉しいところです。

定番の「金亀」をはじめ、季節のお酒や甘酒など、豊富なラインナップから好みの味を探してみるのもいいですね!

金亀の酒粕で作った「酒粕飴」は、お酒が苦手な方やお子様でも楽しめる一品で、ちょっとしたお土産におすすめです。

新しく誕生した彦根初のクラフトビール「彦根麦酒」

ツアーの締めは、2021年にオープンしたばかりのクラフトビール醸造所「彦根麦酒」へ。のどかな田園風景の中に建つ、一見醸造所とは思えないスタイリッシュな建物が目印です。

ドアを開けると、琵琶湖までの風景が一望できる開放的な空間が広がります。

入り口で今日のラインナップが紹介されているので、1本ずつコメントを読みながら好みの味を探してみましょう!

カウンターの奥には「タップ」と呼ばれるビールの注ぎ口が並んでいて、よく冷えたできたてのビールを味わうこともできます。キャッシュオン形式で気軽にオーダーできるので、気になるビールを飲み比べしてみるのも楽しそう。

定番の「ISHIDERA WEIZEN(イシデラヴァイツェン)」は、地元石寺町でとれた小麦を使ったビール。フルーティーな香りと苦味の少ない柔らかな味わいが特徴で、地元の方にも大人気だそうです。

店内ではナッツなどのおつまみを買うこともできるので、天気の良い日はテラス席に出て、琵琶湖から吹く風を感じながら一杯を楽しむのがおすすめです。

青空の下で趣向を凝らした山芋料理を楽しみ、地酒に酔いしれる最高のひと時でした。ここでしか出会えないおいしいものを探しに、秋の湖東地域に出かけてみてはいかがでしょう!